ortofon 試聴会

昨今、アナログブームと言われ続けておりましたが特に最近、はじめてアナログレコードを

聴き始めた方も多く、あらためて「MCカートリッジとMMカートリッジはどう違うの?」

「やっぱりMCカートリッジの方が音が良いんでしょ?」

「SPUってお金持ちが使うカートリッジだよね?」

「名盤って言われているレコード買ったんだけど残念ながらモノラルだった」

等の声が多く、我々店員さんが言葉で説明するよりも実際に聴いてみて!というところや

アナログレコードを聴く上で知っておくともっと楽しいよ!という基本的な部分を中心に、

今回は様々なバリエーションを持つオルトフォンのカートリッジを中心に、久しぶりとなる

カートリッジの聴き比べイベントを開催する運びとなりました。

さて、今回使用した機材のご紹介から

・アナログレコードプレーヤー AcousticSolid Solid Classic Wood MPX

・トーンアーム ortofon AS-212R

・フォノイコライザー EQA-2000

・プリアンプ Accuphase C-3900

・パワーアンプ Accuphase A-75

・スピーカー B&W 802D4

 

そしてオルトフォンの誇るカートリッジ各種

 

・MC DIAMOND

・MC A MONO

・MC Cadenza RED

・MC Cadenza BLACK

・MC Cadenza MONO

・MC Q30S

・SPU Royal G MKU

・SPU Synergy

・SPU Classic GE MKU

・SPU #1

・CG 25 Di MKU

・2M Black LVB 250

 

 

これだけのラインナップを専門家の解説を交えながら短時間に聴き比べができるなど、

オーディオ専門店とはいえ、イベントでもなければこんなチャンスはありません!

今回講師を務めて頂くのはオルトフォンジャパンの梶原さん

全てortofonのカートリッジながら、全てにおいてそれぞれ個性があり小川としましても

前日のセッティングの時からとても楽しんでセッティングを行い非常にテンションが高い

状態でのイベントスタートとなりました。

 

さて、今回のイベントでも大きく分けて3部構成となっており、最初は

【最新のSPUの実力とは?】

という事でオルトフォンの代名詞とも言えるSPUの聴き比べからのスタート!

 

「SPU #1S」:数あるSPUの中でも一番リーズナブルで人気の高いカートリッジです。

この#1Sの目指す音というのが、出力電圧を少し抑えめにしてナローな印象の音作り。

まさに往年のSPUカートリッジのイメージの音色を楽しむにはうってつけといったところで、

ナローレンジはこの場合、決して悪いイメージではなく、まろやかな表現が往年のSPUの

イメージそのものという事はここでお伝えしておきたいと思います。

 

次に「SPU Synergy」:こちらは今回鳴らすSPUの中でも一番出力電圧の高い

ハイパワーモデル

力強く音の輪郭がはっきりと出るので一番SPUらしい鳴り方ではあるのですが、

往年のSPUと比べると表現力がかなりあるという印象でした。

声の質感も相当出る上に、エレキギターのチョーキングの鳴り方が個人的に過去一

好みの鳴り方で非常に好印象。

 

このSPU独特の見た目はおなじみではありますが、あらためてその歴史から内部構造の

解説をして頂き、最近ortofonを知った方からすると、とても興味深い内容になったのでは

ないでしょうか?

次に今回のSPUの中で一番の高級機種「SPU Royal G MKU」:

・・・これが最新のSPUの実力か?!

一番音の違いに寄与いているところといえばスタイラスが違う、という事らしいのです。

良い意味で”SPUなのに”非常に繊細な表現ができる。

SPUらしいパンチはあるのですがその音の粒が驚くほど繊細なところから立ち上がるような

印象は参加されていた皆様方も目を丸くしていたようです。私自身、このイベントで最新の

SPUの進化をしっかりと体験出来たことをとてもラッキーだと思うような貴重な体験になりました。

そして第2部【MCカートリッジの聴き比べ!どう違う?】

MCカートリッジの聴き比べにうつりますが、ここからカンチレバーが変わるようです。

ちなみに今までのSPUは全てアルミカンチレバーです。

 

「MC Q30S」:サファイアカンチレバー、シバタ針のMCカートリッジ。

SPUと同じMCカートリッジというカテゴリではありますが、やはりortofon同士でも

ここまで違いが出てくれると聴いていて非常に楽しくなってきますね。

現時点でSPUをはじめて聴いた方もいらっしゃいましたがその違いは非常に

興味深く聴き入っている様子が印象的でした。

 

「MC Cadenza BLACK」:ボロンカンチレバー、シバタ針

MC Q30Sで感じたクリアさをさらに深くした印象。空間の広がり、密度、それぞれの

楽器の振動が伝わるような表現力ながら癖が無く聴きやすさもあるところが非常に

魅力的に感じたのです。

 

「MC DIAMOND」:ダイヤモンドカンチレバー、オルトフォンレプリカント

スタイラスの名前までカッコいい・・・この針はThe MC Centuryでも使われていた針で、

ラッカー原版に使用するカッティングヘッドの針先形状に一番近く更に最も盤溝との

接触面積の多い針となります。鳴らした刹那、アナログレコードとはここまで出るのか?!

と驚くほどの情報量のうねりのようなものを感じるのです。演奏者ひとりひとりの

感情の込め方やそれぞれの距離感まで分かるような空間表現密度の高さは

しばらく呼吸を忘れるほどの驚きでした。

 

オルトフォンは内部のダンパー素材に至るまで自社で製造していますが、あらためて

内部構造を見ながら説明を聞いてみると、この小さな小さな内部に考えられない程

非常に複雑な構造体になっていることにあらためて興味を惹きつけられるデモも

非常に楽しむ事ができました。

最後にこのイベント最高の盛り上がりを魅せた第3部【君たちはどうモノラルを聴くか】

(タイトルは後から小川が勝手に変えました)

 

・まずは「MC Cadenza RED」(ステレオカートリッジ)でモノラルのレコードを聴いてみる。

 小川自身も今まで持っていた印象ではあるのですが、古い録音の中にも趣があり

 モノラルレコードならではの雰囲気感があると思っていて、個人的にも

 好きな音ではあるのです。

 

・そして次に同じモノラルレコードを「MC Cadenza RED」と殆ど同じ構造の

 「MC Cadenza MONO」(モノラルカートリッジ)で再生するとどう違うのか?

 ・・・今までアナログレコードを長年嗜んできた参加者達も驚くような音が満る!!そう、

 「満る」という表現を敢えて使いたくなる程臨場感が出るのが非常に不思議。

 ”モノラルレコード”なのに!!  モノラルレコードはチャンネル数が1つなので、

 その分たくさん情報量が入っているという理屈は知ってはいましたが、モノラルとは

 思えない程の”広がり”を魅せるのが非常に興味深いのです。

 

 

ちなみに

 カートリッジによってはモノラルカートリッジでステレオレコードを再生すると、

 レコードを痛めてしまうものや、モノラルレコード自体のカッティングの違いも

 色々ある事等の為になるお話しも皆様興味深々といった様子で聞いておられました。

 

・そして最後、モノラルカートリッジの最高峰!「MC A MONO」

 梶原さんも仰っておられましたが、アンプやスピーカー含めここまで本気で

 モノラルレコードを鳴らす事など今まで無かったと思います!!

 

 「モノラルってなんだっけ?」と問いたくなるほどに眼前に広大に広がる音場、

 そしてその密度たるや!!モノラルレコードの可能性がここまであったという

 事実をはじめて知ったという方が(私も含め)非常に多く、モノラルレコードが

 こんなに面白いものなのか?!とその場に居た全員が興味深く聴き入ったのです。

 大袈裟な表現でなくアナログレコードの新たなる世界の扉が開き、その先に

 思ってもみないような色鮮やかなまだ見たことの無い世界が広がっていました。

 

このイベントのあと、アナログレコードの、そしてもっと言えばモノラルレコードの

概念が明らかに変わったのは私だけでは無いはず。

現に各回イベント終了時には皆様目をキラキラさせながらレコードについて、

カートリッジについてオーディオについて思い思いに話が尽きないといった感じで

過去に例を見ない程の質疑応答が長時間に渡るイベントになりました。

そして後日に至っても皆様思い思いにモノラルカートリッジをご注文頂いたり、

「モノラルレコードをどう探したら良いのか?」等のお問合せも明らかに増えております。

あらためて、この歴史の長いアナログレコードを楽しむという事においても未だに

こんな楽しみ方があったのか?!という驚きとともに、もっと!もっと!世界が

広がっていくような新鮮なワクワク感が味わえる趣味としてのオーディオの

懐の深さは「一生遊べる」と言っても過言ではなく、その遊び方でさえ千差万別。

我々オーディオ専門店としましてもその楽しみ方をご提供出来うる場所として、

そして時にお客様と一緒に楽しむという趣味のHUBとして続けて行きたいものです。

本当に今回は、体調不良で参加を見合わせたお客様もいらっしゃる程に茹だるような

暑さの中お集まり頂きました皆様方、そしてそんな中前日のセッティング含め当日も

一日中休みなく楽しいデモをして下さいましたオルトフォンジャパン梶原様、そして

サポート役に徹して下さいました株式会社メースの島根様。携わって頂いた皆様に

心から感謝致しますと同時に皆様本当に心から楽しんで頂いたことに安堵と共感を

述べさせて頂きました。

今回のイベントも本当に楽しかったですね!ありがとうございました!!

 

 

そして残念ながらお問合せ頂きましたにも関わらず御参加頂けなかった

皆様方やアナログレコードをこれから始めたいという方々も、当店店頭でのデモや

ご自宅でのご試聴等含めましてお問合せ下さいね。

実際にお話しして、音を聴いて、納得する。という事がとても大切と我々は考えます。

 

最初はお店をのぞきに来て頂くだけでも良いです。

質問でも何でもお話し出来ればなお良いです。

そのうえで当店のお客様になって頂けたら嬉しいです。

そしてお客様と一緒にイベント等も楽しめたら最高です。

 

ホームショップがオーディオショップケイキで良かった!

という瞬間をこれからも増やして行きたいと思います!

 

 

 

 

 

 

2023/7/29 AUDIO SHOP KEIKI 小川