KITHIT スーパーツィーター LUMIN ネットワークオーディオ試聴会
今回は輸入商社ブライトーンが販売するKITHITのスーパーツィーターと、ネットワークオーディオのLUMINとの異色のコラボでの試聴会となりました。
KITHITはオーディオ名機賞を獲得するなど、非常に評判がいいスーパーツィーターで、今までにはなかった新素材、電子発生高分子素材フィルムを採用した全方位に平面波を発生させることができる優れものです。
九州工業大学と共同で新開発した新開発の発音素子は、厚さが数ミクロンという極めて薄い電気活性高分子の振動板で構成され、周波数特性は1MHzまでと広帯域なのが特徴です。今回、KITHITの代表取締役の石原氏もこの日の為に九州から来店頂きました。
HIT-ST1
石原氏
HIT-S1CUSTOMとリーズナブルなHIT-ST10

今回全てのラインナップを用意して頂き試聴させて頂きました。
フィルムがシングルのHIT-ST1及びCUSTOMと、ひと回り小さなHIT-ST10、フィルムをダブル構成にしたHIT-ST1Wを当店で用意したスピーカー、B&W802Diamondに接続してそれぞれ試聴しました。
勿論802Diamondのみでも十二分な音場ですが、やはり接続するのとしないのとでは表現力がまるで変わります。
リーズナブルな価格のST10から順にST1とST1Wへと徐々にグレードアップしながら、音の広がりや広域の伸び、臨場感や低域の締まり方など、各スーパーツィーターで表現が徐々に増して非常に生々しい音場を作り上げられていきます。
特に強烈なのが最上位機HIT-ST1W。ダブルにすることにより音場が上塗りされ映像が更にくっきり浮かび上がるような表現力です。
でも値段が高いです。...

HIT-ST1W
ブライトーン代表の福林氏も説明しておりましたが、KITHITで一番販売しているシリーズはHIT-ST1だそうで、ST10だと物足りなく感じてしまうようで、だけどもダブルのST1Wまで予算がないと判断されている方が多いようですが、中にはST1Wのダブル使いの強ものもいらっしゃるようです。
HIT-ST1とCUSTOMの一番の違いは内部配線と、となりの写真のフルテックのSP端子で、もともとLUMIN用に調整されています。
端子は一定のトルクが掛かるとそれ以上回らなくなり、端子自体が解像度が高い為 CUSTOMにはAIWの銅線が内部配線として使用されております。
ノーマルのST1と比べるとCUSTOMはやや中域よりの音場設定になっているようですので厚みのある表現が好きな方はおすすめします。
ブライトーン代表福林氏
LUMINはロサンゼルスと香港に拠点を持つPixel Magic Systems Limitedが開発したネットワークオーディオシステムで、 元々ホームシアターのハードやソフトを販売している会社です。
当店では7年程前から先駆けとなるメーカーのLINNが推奨するネットワークオーディオを基本販売のもと、MARANTZなどネットワークに準じたハイレゾなどの高音質ファイルの再生機販売に力を入れてきました。
ここにきてDSD再生が最近注目された中、ネットワークオーディオの中で非常にスムーズなファイルのやり取りができるLUMIN S1の登場で更に一石を投じようと企画した次第です。
S1の最大の特徴はDSDファイル5.6MHz,1bitまで再生できる事と、PCMの96kHzのファイルまでDSDにアップサンプリングして再生できる点で、ファイル再生を網羅しているユーザーにも納得のネットワークプレーヤーです。(A1はDSD2.8MHzまで)
操作性においても、無料のLUMIN専用アプリから再生操作のみならず機器本体の設定などもi padなどから簡単に出来ます。
又、DACチップにESSテクノロジー社製”ESS SABRE32 9018 DACチップ”を4個使用しており、ひとつのDACチップに8個のDACを内蔵されている為、 片チャンネルで16個のDACを並列に使用することによりハイスペックな音楽再生が楽しめます。

LUMINでは高音質ミュージックサーバーのL1を発売しており、あえてNASとは呼ばず音楽再生に特化した2TBのHDDです。
従来のNASのような余計なソフトは一切入れていないそうで、そのためか機器の電源ON/OFFが数秒で行えます。
又、USBで接続することでドライブ認識され、ドラッグ&ドロップでファイルのやり取りができます。
他社のネットワークオーディオをお持ちの方もNASとして単品で購入されている方も多いようです。
勿論DSDファイルに対応。

LINNがまろやかな実態感がある音に対してMRANTZはきっちりくっきりと同じネットワークオーディオでも音作りがメーカーにより違いますが、LUMINは個人の印象としてはこの2つのメーカーの間という感じで、情報量や解像度は申し分なく細やかな印象で、S/Nの良いストレートな音色ながら角の立たない上質な音作りでした。
ネットワークオーディオの選択のポイントはDSD再生までするかどうかだと思いますが、多様化する機器も増え、選択できることは良いことだと思います。
ちなみに近々30万円台のプレーヤーがLUMINから出るそうですよ。


2015 1/18 菊地