TANNOY AUTOGRAPH 試聴会
今回は名器、TANNOYのオートグラフの試聴会を開催。今ではあまり聴くことが出来ないオートグラフ。中古市場でも高値で未だ取引されている品物。オートグラフをあえて試聴することで音を楽しく聴くという原点回帰的な企画を致しました。今回試聴したものは勿論USEDのオートグラフで、1979年発売されたTANNOY/TEAC共同制作のエンクロージャーにK3808スーパーレッドモニターが入った後期のオートグラフ。若い頃一度聴いて又聴いてみたいと確かめにきた方や、名前は聴いていたが初めて聴く人などなど、一日中店内が満員の状態で、オートグラフへの関心の高さが分かります。

しかしでかい!こんなに大きかったかと思うくらい、存在感抜群なオートグラフ。やはり大きなスピーカーはいい!と皆が口をそろえる中、これでもかとのパフォーマンス。オーケストラの演奏に酔いしれ、その場にいるような錯覚が体験でき、一瞬で音楽の中に入り込める魅力は今も健在。

写真にも見えますが後面にTANNOYとTEACの共同保証プレートが貼ってある、試作機を何度もイギリス本国に送って調整しTANNOYからこれなら販売してもいいよと認可が下りたTEAC制作エンクロージャー。
今回オートグラフに使用したOCTAVE真空管/トランジスタ、ハイブリットのプリメインアンプV80。さすがのドライブ力でロードもしっかりかかり、そよ風のような音圧が心地よい。解像度も抜群で貫けがよく、ストレスを感じないスムーズな広がりもオートグラフとの相性の良さが出て、今回の試聴会の立役者?的存在でした。

そのままでも非常に満足する豊かな音楽表現のこのオートグラフですが、やはり現代のユニットに比べると若干レンジが狭く感じてしまうK3808のユニット。今回は補助的に振動板を使わないアカペラのイオンツイーターをほんの少しだけ足して、鳴っているか分からない程度に調整してやると邪魔にならずうまくレンジ感が更に広がり高域の伸びが良くなります。全体的に音の隅々にイオンツィーター独特の潤いがでてくるのも魅力。

ほとんどのソースはレコードで聴いていただいた今回の試聴会、最近バージョンアップのラディカル/ユーリカを発表したLINNのSONDEK LP12ですが、このフル装備のシステムには何度試聴しても頭が下がる。バケモノ的な解像度の高さは、これだけレコードに情報量が詰め込まれているのだと痛感します。ノーマルのLP12をお持ちの人は是非バージョンアップをお勧めいたします。

試聴機のLINNのLP12は本体にEKOS SEのアームにKEELを装着。電源にLINGO、フォノイコにLINTOのフル装備
カートリッジは勿論AKIBA。